制作:InnocentGrey
昭和を舞台としたミステリーノベルゲーム。
グラフィックやBGMの雰囲気がとてもよく、落ち着いた感じのシナリオが好きならおすすめできる作品。
ミステリー形式なので犯人当てや捜査パート有り。
また地図を選んでどこに行くかを決めるなどアドベンチャーっぽい要素も多い。
けど話がほぼ一本道なので周回時にけっこう面倒くさいのはご愛嬌。
またトゥルーエンドにいくフラグを立てるヒントが少なく難しいのもまたご愛嬌。
シナリオ的には思いっきり京極夏彦のあれとあれ。
でも作品全体の雰囲気はだいぶ違うので元ネタを読んだことある人も楽しめると思うし、ここはあれだなーと考えながらするのもいいと思います。
前半と後半で2つの事件があるのだけれどもどっちも似たりよったりだったのはちょっと残念。
また登場人物はいいものを感じるもののどのキャラともほそぼそと会話などがあって~みたいにすすむのであまり印象に残らなかった。
話自体は一本道なものの好感度システムがありそれによって一応の個別ルートはあり。でもだいたいはおおよその話が分かった後で読むことになるのでそこがもったいないなーと思う。
個別ルート的な各キャラのエピソードがあった上での展開ならもっと衝撃的だったり印象に残ったりしたかもだけどなという感じ。
またどのキャラともちょいちょい絡んで~みたいな感じなので断片的に感じてしまうところもあった。
話の後半で助手(運転手)扱いになるキャラとのやりとりがコメディ的で良かったのでもっと前からそんな感じでも良かったと思います。
作品自体の雰囲気は凄く良いしおすすめもできるけど、どうしても雰囲気が良かった以上のものがなかったのが一番の残念ポイント。
一本のシナリオを書きつつ各ヒロインとのあれこれも書かないといけないのはやっぱり難しそうだと思いました。
気になったところはいろいろあったもののとりあえず続編はやってみようと思えるぐらいには良かった。
絵柄を見て気になった人はたぶん気に入るような作品なのでそんな人にはおすすめ。